まちづくり 視察研修 松代観光 地域活性化
長野市におけるポスト2010松代観光事業推進体制についての考察
1、松代観光推進の経緯
(1)第一期松代イヤー第一期2004松代イヤーキャンペーンにおいては、松代における「歴史的文化財を使って護る」を合言葉に、遊学城下町信州松代・エコール・ド・まつしろのキャッチフレーズが定着し、生涯学習を通じての交流観光を全国に先駆けていち早く提起した。文化財(歴史的建造物)を活用した観光キャンペーンであったために、松代城から真田邸、文武学校、象山神社、山寺常山邸、(象山地下壕)に向けての西側南北ラインの観光振興が中心であった。歴道や文化財、景観などのインフラ整備も西側南北ラインに集中した。観光課松代分室を設置して市職員を数名配置し、市あげて松代観光振興に取り組み観光客20万を80万人に押し上げるなど大きな成果をあげた。
(2)第二期松代イヤー第二期2010松代イヤーキャンペーンにおいては松代における地域資源(歴史的遺産・文化・自然等)を丸ごと活用し、西側南北ラインだけではなくて町人文化を含めた東西ライン、さらには周辺里山ゾーンを活用した総合的な松代観光の可能性を提起した。また、歴道や景観整備も西側東西ラインから東側東西ラインへと進展し、前島邸の9月オープンによって東側への観光客の誘導をどうするかが大きな課題になってきている。
2、観光事業の全国的な動向国が観光事業推進方策を打ち出してインバウンドを奨励し、全国各自治体がこぞって観光事業の推進を行っているため、地域間競争が激化してきている。特に2014年度開業予定の新幹線の金沢までの延長によって長野市が通過観光になる可能性が大きい。こうした地域間競争激化の中で、長野市の滞在型観光を推進し経済効果を上げていくには、長野市内に善光寺とセットした強力な観光地の振興を図る必要性が今まで以上に出てきている。一方、松代の町並みや歴史的な文化遺産や自然環境、周辺里山の魅力においては訪れる観光客に高い評価を得てきており、全国的に見ても5キロ四方に歴史的文化的遺産が集積した地域はまれである。首都圏や関西の観光事業者も松代に高い関心を持ってきているが、今日の観光事業者の求めている着地型観光の推進においても、松代はNPO夢空間および松代文化財ボランテアイの会による地域資源の発掘や、エコール・ド・まつしろ倶楽部等におけるおもてなし活動が活発化してきており、体験型・着地型観光のプログラムを企画立案する条件が揃っている。長野市の滞在型観光推進のために、善光寺とのセットにより、松代を重点的に整備し売り出していく必要性がますます高まっている。
3、現状の観光事業の推進体制松代観光推進のために長野市観光コンベンションビューローが松代観光案内所を開設し、外来客の案内窓口となって一定の成果を挙げてきている。しかしながら、長野市全域の観光振興の中での松代の売り込みであるため、周辺自治体の売り込みと比較しても松代の露出度は薄れ、観光事業者への全国的な売り込みにおいては、地域間競争において周辺他地区に遅れをとり、松代の豊富な地域資源や住民のボランタリーな取り組みが埋もれてしまいがちである。エコールドまつしろ倶楽部、NPO夢空間、文化財ボランテイアの会などの住民のボランタリーな取り組みの連携を強化して活かし、それを行政や地域が支えていく体制が必要である。
4、ポスト2010松代観光事業推進に向けて長野市の滞在型観光推進のための重点地域として松代観光を推進していくためには今まで以上に長野市行政と住民とが一体化して取り組んでいく必要性がある。そこで「松代まち歩きセンター」の設置を始めとする以下の整備が不可欠である。
(1)松代の東側の観光振興を図っていくために、暦道沿いにまち歩きのための拠点、「松代まち歩きセンター」の設置
(2)中心部に位置した観光駐車場の整備(伊勢町周辺)、
(3)東側まち歩き観光客用公衆トイレの整備(東側歴道沿い周辺)、
(a)松代まち歩きセンターの設置歴道が整備され、前島邸のオープン、金箱邸の整備が進展していくことによって、松代の回遊性を高めるためのインフラ整備が必要となっている。そのために歴道沿いの中間地点である、八田金物店跡を松代観光の中心拠点として整備することによって回遊性が高まり、松代全体のバランスある観光振興に寄与するものと思われる.
(b)まち歩きセンターの役割寄ってみたくなる、寄らなければならなくなるセンターにするため、次のような業務を手掛ける。
・松代まち歩き情報の提供相談・まち歩きガイドブックの販売・映像による松代のまち歩きルートの紹介・まち歩きガイドの紹介・トイレの提供(車椅子利用可)・手荷物預かりロッカーの設置・電動自転車の貸し出し(有料・500円を想定)・車椅子の貸し出し
・お休み処の設置初年度は無料提供のお茶とするが、次年度以降、まちづくり団体の協力を得て厨房の整備と保健所の営業許可を取得することによってコーヒーや軽食等が有料で出せる体制を整える。※全国150か所に広がっている住民参加型コミュニテイレストランでは日替わりワンデイシェフの仕組みを取り入れているところが多い。(例上田市柳町)
・お土産の斡旋(町内土産のサンプル紹介)及び委託販売・特産物の販売(催事にあわせた農村部生産団体等による産直市など)
(c)運営体制・2010年この拠点は松代イヤーに合わせて設置し、初年度は松代イヤー実行委員会が管理責任者となり、NPO夢空間が運営主体となって各種ボランテイア団体の協力を得て推進する。・2010以降ポスト松代イヤーにおいてはNPO夢空間松代事務局とエコール・ド・まつしろ倶楽部事務局とが運営責任者となって、地元ボランテイア団体の協力を得て共同で運営を図っていく。松代まち歩きセンターの基本的な役割はスタッフが担うがそれに伴う付随したものは協力ボランテイを募集して市民参加での運営を図る。
(4)長野市観光課松代分室の復活松代観光推進のためには日常的に松代を全国に売り込むための組織体制と現地に配置する専従スタッフが必要である。2004松代イヤーにおいても平成14年11月から平成17年3月まで長野市観光課松代分室を設置して職員を3名配置し強力に松代観光推進を図り実績を残している。官民一体の松代観光推進の為にも長野市観光課松代分室を復活させてスタッフの常設配置を求めたい。
(5)松代観光推進機構(仮称)松代の観光事業を一体的に推進する推進母体(観光まちづくりプラットホーム)を再構築する。長野市観光課・ながの観光コンベンションビューロー、松代地区住民自治協議会、商工会議所、松代観光事業振興会、観光事業者・飲食店・菓子店・土産店・各種ショップ・企業、NPO夢空間、エコール・ド・まつしろ倶楽部、松代文化財ボランテイアの会、各種ボランテイア団体、個人を結集した組織を再構築する。

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NPO法人夢空間松代のまちと心を育てる会(NPO夢空間)のホームページです。
信州松代は古代から近代までの文化遺産が5キロ四方の地域にぎっしり詰まっている地域です。
特に真田幸村の兄真田信之が徳川幕府の命により、上田から松代に移封され、松代藩の初代藩主となって以来250年間、真田十万石の城下町として、真田氏が十代にわたって統治したため、真田氏伝統文化が今日まで色濃く残る町です。
昭和41年に長野市に合併して以来、長野市の中に埋没し、せっかくの文化遺産を活かすことができませんでしたが、平成5年に高速道長野インターが松代地籍に開通して以来、住民によるまちづくりが活発化し、行政の後押しを得て観光の町松代としてもクローズアップされてきました。
NPO夢空間では松代全体をまるごと博物館ととらえて、地域に潜在している文化遺産を一つ一つ堀り起こして光を当てて、磨きあげ全国に発信しています。このHPではNPO夢空間の活動内容についてご紹介しています。

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